お知らせ

住所だけでは家を特定できない?

現地確認で分かった査定前調査の落とし穴

こんにちは。仙台みらい不動産です。

不動産の査定をご依頼いただく際、最初に伺うのが物件の所在地です。

住所が分かれば、Googleマップやストリートビューで建物を確認し、登記事項証明書や公図を取得して調査を進められる。通常はそう考えます。

しかし、住所が分かっていても、査定する土地や建物を正確に特定できないことがあります。

今回は、私が別の土地を査定対象だと思い込み、登記事項証明書と公図を取得してしまったときの話です。

同じ住所に2軒の家がありました

以前、土地の査定をご依頼いただいたときのことです。

売主様から所在地を伺い、Googleマップで場所を検索しました。ストリートビューにも家が表示されたため、「今回査定するのは、この家だろう」と考えました。

ところが、その住所には何軒かの家がありました。

同じ住所の中に複数の建物があることは、決して珍しいことではありません。特に、昔からある住宅地や大きな土地を分けて利用している場所では、住所だけで一軒の家を特定できない場合があります。

このときの私は、ストリートビューで最初に表示された家を査定対象だと思い、その前提で調査を始めてしまいました。

会社からの帰りに現地へ立ち寄りました

売主様とお会いする前に、会社からの帰り道に一度現地へ立ち寄りました。

ストリートビューで確認していた家を見ながら、道路との位置関係や周囲の状況などを確認しました。

その際、すぐ近くに別の家があることにも気づきました。

「ここにも家があるんだ」

その程度には見ていたのですが、まさか、そちらが本当の査定対象だとは思っていませんでした。

現地に行きさえすれば、物件を正しく確認できるとは限りません。最初から別の家を対象だと思い込んでいれば、現地を見ても、その思い込みに気づけないことがあります。

売主様の「こちらです」で間違いに気づきました

後日、売主様と現地で初めてお会いしました。

私が査定対象だと思っていた家の方へ向かおうとしたところ、売主様から案内されたのは、その隣の土地でした。

「こちらです」

その言葉で初めて、私が調べていた土地とは違うことが分かりました。

以前立ち寄ったときに、「ここにも家があるんだ」と見ていた方が、実際の査定対象だったのです。

住所は合っています。

現地にも一度行っています。

それでも、査定する土地を取り違えていました。

登記事項証明書と公図も別の土地のものでした

さらに問題だったのは、現地を訪問する前に、登記事項証明書と公図を取得していたことです。

当然ながら、それらは私が査定対象だと思い込んでいた隣地の資料です。本当の査定対象には使えないため、改めて正しい土地の資料を取得し直すことになりました。

登記事項証明書や公図の取得には費用がかかります。また、資料を確認して所有者や土地の形状、接道状況などを調べるには時間も必要です。

今回は登記事項証明書と公図までで、役所調査や水道関係の調査には進んでいませんでした。それでも、取得費用だけでなく、資料を確認した時間や事前調査が無駄になってしまいました。

もし、これが仙台市内ではなく、県外などの遠方の物件だったらどうなっていたでしょうか。

現地へ行ってから間違いに気づき、資料を取り直したうえで、もう一度訪問しなければならなかったかもしれません。そう考えると、少しゾッとします。

住所と地番は同じものではありません

普段、郵便物や宅配便などで使っている住所と、土地の登記に使われる地番は、同じとは限りません。

住所は建物の場所を表すためのものですが、地番は土地を一筆ごとに特定するために付けられています。

同じ住所に複数の家がある場合や、一つの敷地に複数の土地が含まれている場合もあります。そのため、住所をGoogleマップに入力して表示された場所が、必ず査定対象の土地とは限りません。

ストリートビューは、道路や周辺環境、建物の外観などを確認するにはとても便利です。しかし、査定対象となる不動産を法的に特定する資料ではありません。

地図上のピンの位置がずれていたり、撮影時点から建物や周辺状況が変わっていたりすることもあります。

便利なものだからこそ、表示された情報をそのまま正しいと思い込まないように注意が必要です。

調査前に確認しておきたい資料

今回のような取り違えを防ぐには、調査を始める前に、売主様へ対象不動産を念入りに確認する必要があります。

地番や家屋番号が分かる資料として、次のようなものがあります。

  • 固定資産税の納税通知書や課税明細書
  • 登記識別情報通知
  • 不動産を購入したときの売買契約書
  • 測量図や境界確認書
  • 過去に取得した登記事項証明書

資料がすぐに見つからない場合には、住宅地図や航空写真に印を付けていただく方法もあります。

「道路から見て右側の家です」

「駐車場の奥にある建物です」

といった説明も手がかりになりますが、人によって左右の捉え方が違うこともあります。できるだけ地図や写真など、目で確認できるものを使った方が確実です。

また、相続した不動産などでは、売主様自身も地番や正確な土地の範囲を把握していない場合があります。そのようなときは、分からないことを前提に、一つずつ資料を照合していく必要があります。

現地へ行くだけでは足りないこともあります

この経験をするまでは、現地を確認すれば、机上調査で想定した土地との違いに気づけると考えていました。

しかし、実際には現地へ行っても、最初の思い込みを持ったまま見てしまうことがあります。

大切なのは、単に現地へ行くことではありません。

売主様から伺った情報、登記事項証明書や公図、住宅地図、そして実際の現地が、すべて同じ土地を示しているか確認することです。

査定の現地確認は、建物の傷みや日当たり、道路との高低差などを見るところから始まるわけではありません。

まず、「今回査定する不動産は、本当にこの土地、この建物なのか」を確認するところから始まります。

今回感じたこと

今回の失敗は、「住所が分かっているから、おそらくこの家だろう」という思い込みが原因でした。

現地にも一度行っていましたが、正しい土地を特定できていなければ、現地確認をしたことにはなりません。

不動産調査では、この「おそらく」が、資料の取り違えや調査のやり直しにつながります。場合によっては、査定価格や販売方法にも影響する可能性があります。

それ以来、住所だけで判断せず、調査を始める前に、地番や地図上の位置などを売主様へ念入りに確認することが大切だと改めて感じています。

失敗はできれば避けたいものですが、一度経験したからこそ、最初の物件特定を慎重に行うようになりました。

対象の土地を正しく特定できたら、次は成約事例や現在販売中の物件、土地や建物の状態などを踏まえて査定価格を算出します。

しかし、そこで算出した「査定価格」が、そのまま実際の「売出価格」になるとは限りません。

次回は、**「査定価格と売出価格は同じではありません」**をテーマに、売主様のご希望と市場の状況を踏まえながら、販売価格を決めていく過程についてお伝えします。

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